お彼岸とは?2018年の春と秋のお彼岸の時期とお供え物の品物や金額相場

「お彼岸」という言葉自体は、誰でも聞いたことのあるでしょう。なんとなく、お彼岸はお墓参りに行く日だということもご存知なのではないでしょうか。
しかし、具体的にお彼岸とは一体どのような日で、何をするものなのか、きちんと説明しろと言われると、言葉に詰まる人も多いはず。そこで今回は、お彼岸について詳しくご説明いたします。

お彼岸とは?由来や意味

そもそも、お彼岸の由来は仏教の信仰にあります。私達が今いる世界は「此岸」と呼ばれるもので、煩悩や迷いに満ちた世界であるとされています。その此岸に生きる人々は、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の6つの修行、合わせて六波羅蜜と呼ばれる修行をすることで、悟りの世界である「彼岸」へ達することができると信じられていたのです。

では、悟りの世界である彼岸が、どうしてお墓参りをする日、という認識になったのでしょうか。それは、お彼岸のある春分と秋分に関係があります。彼岸は西、そして此岸は東にあるとされているため、太陽が真東から上って真西に沈む春分と秋分の日には、此岸と彼岸が通じやすくなると信じられていました。彼岸と此岸が近くなるということは、春分と秋分の日には成仏した先祖とも通じやすくなっているため、先祖の供養をするようになり、彼岸というとお墓参りの日なっていったのです。

お彼岸では何をするの?

お彼岸には先祖の供養のために、何をしたらいいのでしょうか。まずは仏壇や仏具の掃除です。それから供花やお供えを準備します。そして、肝心のお墓参りを忘れてはいけません。お墓参りをするのに準備をするものは、線香、ろうそく、ライターやマッチ、そして準備をした供花とお供えです。お墓に到着したら、まずはお墓を綺麗にしましょう。お墓が汚れていたままでは、先祖の供養になりません。

また、お彼岸には元々の由来でもある六波羅蜜の教えを得るための彼岸会という行事が寺院で執り行われます。菩提寺との付き合いのある方は、彼岸会に参加するといいでしょう。お布施の相場は、大体3000円から5000円とされています。

お彼岸の時期と各年での決め方は?

お彼岸の基準となるのは、春分と秋分です。お彼岸は3月にある春分の日とその前後3日間の計7日、そして9月にある秋分の日とその前後3日間の計7日、両方合わせると14日間になります。

では、春分と秋分はどのようにして決められるのでしょうか。春分と秋分の日を決めるのは国立天文台です。国立天文台が作成する、暦象年表という天文や暦などについて記した冊子を元にして決めているため、毎年まったく同じ日になるというわけではありません。その年によって日付は変わりますが、春分の日は大体3月の20日か21日、秋分の日は9月の22日か23日になることが多いです。

2018年(平成30年)春のお彼岸期間は?

2018年の春分の日は3月21日です。その3日前の3月18日が彼岸入りとなり、3日後の3月24日が彼岸明けとなります。2018年の春のお彼岸は3月18日から24日です。

2018年(平成30年)秋のお彼岸期間は?

2018年の秋分の日は9月23日です。9月20日が彼岸入り、9月26日が彼岸明けとなりますので、2018年の秋のお彼岸は9月20日から26日です。

お彼岸のお供えは何が良いの?

春と秋の、お彼岸のお供え「おはぎ・ぼたもち」の写真

お彼岸といえばお供えですが、一体お供えには何を選べばいいのかと、疑問に思う人も多いはず。お彼岸のお供えとして、もっともポピュラーなものは「ぼたもち」と「おはぎ」ではないでしょうか。

ですが実際には、日持ちのするお菓子などの方が喜ばれる場合が多いです。お供えものは最終的にいただいた家の人が口にするものですから、日持ちのするお菓子や、その他缶詰やジュース、ビールなどが喜ばれる傾向にあります。

また、お彼岸は故人を偲ぶ日でもありますから、やはり故人が好きだったものをお供えすると、遺族に喜んでもらえることが多いようです。お供えは気持ちが大事、ということです。
また、お供えを受け取る人が高齢で、お菓子などをもらっても処理しきれない、というような場合もあります。そのような時は、普段使いよりも少しグレードの高いろうそくや線香をお供えする、というのも選択肢のひとつです。

春のお彼岸はぼたもち/秋のお彼岸はおはぎをお供えする由来

お彼岸にぼたもちやおはぎをお供えするのには、どのような由来があるのでしょうか。ぼたもちやおはぎをお供えする由来は、ぼたもちやおはぎの原料である小豆にあります。小豆の赤い色は、古くから魔除けの効果があるとされてきました。そのため、農作業が始まる春と収穫の秋に五穀豊穣を祈り、先祖にぼたもちやおはぎをお供えしたのです。

ほとんど同じもののように思えるぼたもちとおはぎですが、春にはぼたもち、秋にはおはぎはお供えされます。それには一体、どのような違いがあるのでしょうか。

ぼたもちがぼたもちと名付けられた理由は、春に咲く花である牡丹が関係しています。昔の人には、牡丹の花の色が小豆の色と似ていると思われていたことから、「ぼたんもち」となり、それが徐々に「ぼたもち」となっていったのです。

ちなみにぼたもちには、こしあんが使用されていました。その理由は、小豆の収穫時期に関係があります。秋に収穫された小豆は、春になるころには皮が固くなってしまい、食感が悪くなります。そのため、春に作られるぼたもちのあんは、皮を取り除いたこしあんが使用されるようになっていたのです。

春にお供えされるぼたもちと同じように、秋にお供えされるおはぎにも、おはぎと名付けられた理由があります。おはぎという名称は、秋に咲く花である萩が由来です。おはぎは萩の花になぞらえて名付けられました。また、秋に収穫されたばかりの小豆はまだ皮が柔らかく、皮付きのまま食べても食感や味を損なわないため、つぶあんとして仕上げておはぎに使用したのです。

お供え物の金額相場

お供え物の金額の相場ですが、一般的には3000~5000円と言われています。あまり高価なものをお供えすると、先方を恐縮させてしまうこともありますので、適度な価格で抑える方が無難でしょう。

また、「のし」や「のし紙」は慶事の時に使用するものですので、お彼岸には合いません。水引を印刷しただけの「かけ紙」をかけるようにしましょう。

まとめ

元々は仏教的な信仰が由来の、修行の期間であったお彼岸ですが、現在そのことを知って実践している人は多くはありません。また、家族や社会との関係性が希薄になってきている昨今、お彼岸自体を意識しない人も増えてきました。

しかし、お彼岸は先祖に思いを馳せ、感謝するための大切な日です。せめてお彼岸くらいは、先祖を供養し、日々の感謝を墓前に報告するのも大事なことなのではないでしょうか。