葬儀社の選び方でいい葬儀社を見分ける7つのポイント

いざお葬式をあげなければならなくなったという時、問題として挙がってくるのは「どの葬儀社を選べばいいのか」ということです。
それにはまず、葬儀社についての情報を得なければなりません。インターネットで検索、知人からの紹介、病院からの紹介、警察からの紹介、チラシなど、手段は様々です。

その情報を元に、どのような基準で葬儀社を選べば、後悔することなく葬儀をあげることができるのでしょうか。
今回はどういった観点から葬儀社を選べば良いのか、押さえるべき7つのポイントをご紹介します。

いい葬儀社を見分ける条件

いい葬儀者を見分けるためには、葬祭ディレクターの有無やJECIA(葬儀会社格付け機関)での評価、ISO9001(品質を保証する国際規格)を取得しているかなど、会社の表面的な部分で判断することもできますが、それだけでは不十分です。以下に、いい葬儀社を見分ける7つのポイントを、項目ごとに詳しくご説明します。

疑問や質問には丁寧に答えてくるか

葬儀をあげるということは、人生でそう何度もあることではありません。そのため、これから葬儀をあげようという方のほとんどは葬儀に対して慣れてはおらず、たくさんの疑問や質問が浮かんでくるものです。

その疑問や質問に対して、丁寧な対応で答えてくれるスタッフがいるかどうかということは、そのままその葬儀社がいい葬儀社なのかどうかということの判断基準にすることができます。

ご遺族の疑問や質問に対して誠実に対応しないということは、実際に見積もりや支払いという段階になった時にも、ご遺族の疑問や質問にきちんと答えてくれるという可能性は低いと判断できるでしょう。

事前の相談や見積もりに快く対応してくれるか

いい葬儀社なのかどうかを判断するには、事前相談や見積もりをすることが非常に重要となります。事前相談や見積もりの段階で誠実な対応をしてくれるかどうかで、実際に葬儀の施工を依頼した際にも誠実な対応をしてくれるかどうかの判断ができるからです。

事前相談や見積もりは、料金やサービスの内容をお客様に明確にするというものです。料金やサービス内容を明確に説明できるということは、その葬儀社が、自社のサービスの内容や料金が適正であると判断しているということの証明になります。

事前相談や見積もりをきちんとしてくれず、曖昧な対応をされた場合は、自社のサービス内容や料金に対して自信がなかったり、適正な価格ではない、もっと言ってしまえば、利益をもぎ取ろうとしているなど、後ろ暗いことがあるのではないかと疑わざるをえません。
また、事前相談で対応がよかった場合でも、当日担当するのは別のスタッフという場合もあります。事前相談の段階で、誰が当日担当してくれるのかを確認することも重要です。

安い費用の葬儀を希望しても態度が変わらないか

二種類の見積もりを取るということがコツです。まずは一般的な葬儀の見積もりをお願いします。そして、見積もりが取れたところで、予算的に厳しいので、もっと安いプランの見積もりもして欲しいということを伝えます。

その際、もし担当者が嫌そうな顔をしたり、見積もりの対応を渋るというようなことがあれば、その葬儀社はお客様の希望ではなく、自社の売上や利益を優先するような葬儀社であるということが判断できます。
もちろん、これに例外があります。菩提寺があるような場合には、菩提寺が安いプランの葬儀である、火葬のみを行う「直葬」や通夜を行わない「一日葬」などを嫌がるということがあり、菩提寺の許可なく安いプランの葬儀をしてしまうと、その後の菩提寺との関係がこじれ、トラブルになりかねません。そういった場合には葬儀社は安いプランの葬儀を勧めることができません。

きちんと知識のある葬儀社でしたら、必ず菩提寺の有無は聞かれますので、安いプランの葬儀をするのであれば菩提寺と相談してほしい、という話になります。このようなときには、一概に葬儀社が安い費用の葬儀を嫌がっているわけではなく、むしろきちんとした知識があるのだという判断ができます。

いずれにしても、明確な理由がなく安い費用の葬儀を嫌がったり、拒否したりするというようなことがあれば、それはいい葬儀社ではありませんので、ご注意ください。

契約を急がせたり、押し売りしないか

ご家族やそれに準じる方が亡くなった時、病院などではご遺体を長く安置できない事情があるため、早く搬送して欲しいと急かされる場合があります。これは病院側の事情ですので、仕方がありません。

しかし、その後の契約に関しては、急ぐ必要があるものとは言い切れません。まず搬送をしてご遺体を安置することができたら、その後の契約に関してはむしろ一呼吸おいて、ゆっくりしっかり判断することが必要です。

ご家族や親しい方が亡くなって直後は、心身ともに消耗しきっていることが多く、正常な判断が難しい状態にあるという方が多いです。その中で、契約を急がせたり、押し売りなどをしてくるというのは、客を逃すまいとする葬儀社の魂胆があるからに他なりません。

状況によっては、いい葬儀者でも契約を急ぎたい場合があります。それは、都市部などでの公営の斎場の予約を早くしたいという場合です。都市部の公営の斎場は比較的安価に利用できるということもあり、人気が高くなっています。そのため、一週間待ちというのもザラです。特に、夏や冬などは斎場が混みやすくなっていますので、ご遺族のことを考えて、早く予約をしてしまいたいという葬儀社もいます。

そういった場合には、まず斎場を押さえてもらい、細かい契約内容は1日おいて考えさせてもらえることができるかどうか聞くのも手です。とりあえず斎場と火葬場さえ押さえられてしまえれば、その他の事項に関しては、それほど急いで決める必要はありません。葬儀社にもよりますが、2日や3日あれば、葬儀の準備は十分にできます。中には前日からでも準備を整えられるという葬儀社もありますので、話し合いの段階で、何日前までに詳細を決めればいいのかを質問するということも大事です。

支払い期日に余裕があるか

かつてお葬式というと、当日に現金でその料金を支払うことが多くありました。しかし、最近では支払期限に余裕のある葬儀社が多く、現金払い以外にも、銀行振込や、ローンやカードにも対応してくれる葬儀社もあります。小さな葬儀社ですと、ローンやカードでの支払いに対応していないところもありますが、それでも即日即納の葬儀社は少なくなっています。

このような状況の中、当日即納のみで、支払い期限に猶予がない葬儀社は、とにかく早く現金を手に入れたいという事情がある会社なのだという判断をせざるをえません。それがどういった理由なのかは会社にもよりますが、中には早く現金を手にいれなければ会社が傾く恐れがあるだとか、早く現金を受け取ることで、お客様との付き合いを早く切りたいと思うというような魂胆があるだとか、後ろ暗い理由があると考えられます。

まずは、事前相談などで、支払い期限にはどれくらいの余裕があるのかを確認した方がいいでしょう。

セット料金とオプション料金を明確にしているか

どこまでがセット料金に含まれていて、どこからがオプション料金になるのかを、きちんと明確にしているしているのか、していないのかというところは、いい葬儀社かどうかを判断できるポイントです。

きちんと明確にしている葬儀社では、見積もりや請求の際に、どの金額がどこにかかったのかを、明細でわかりやすく提示してくれます。

しかし、明細のない葬儀社では、どこにどれだけの金額がかかったのかすら分からずに、本当にその金額が必要だったかさえ明らかにならないまま請求されてしまうことになりかねません。見積もりの際に告げられた金額と、実際に請求された金額が違っていたとしても、それが正しいことなのかどうかの判断すらできないのです。

よって、セット料金とオプション料金の内訳を明確にしていない葬儀社はいい葬儀社とはいえず、できればその葬儀社の利用は避けた方が無難と言えるでしょう。

資料請求に応じてくれるか

資料請求に応じてくれるかどうかということも、非常に大事なポイントです。資料請求に応じてくれるということは、つまりお客様に対してきちんと説明できるような資料を、予め用意しているということです。

そうした準備をしているということは、お客様に対してきちんとした料金の内訳やサービス内容を説明できるということでもありますし、お客様が他の葬儀社と比べた時でも、自社を選んでもらえるだけの魅力ある仕事をしているという自負があるということでもあります。

逆に言うと、こうした資料請求に応じてくれない、もしくは資料を用意していないという葬儀社は、料金やサービス内容を明確にしておらず、お客様に対しての説明も不十分になり、満足のいく葬儀をあげてもらえないという事態を引き起こしかねません。

まずは実際に電話や面談で事前相談をする前に、資料を請求して、それがわかりやすいものであるかどうかを判断します。それから資料を見てもわかりづらい部分について質問し、きちんと対応してくれるのかどうかを見極める必要があるのです。

また、資料請求での対応スピードが良好であれば、実際の施工の際などにも素早く対応できるということであり、資料請求をしてもいつまでも送ってくれないというような葬儀社は、各種手配や施工の際にも迅速な対応は期待できません。

葬儀社選びのタイミング

多くの方は、故人様が亡くなられた時や、亡くなられる直前になって初めて葬儀社を探し始めます。これが決して悪いというわけではありませんが、できることであれば、なるべく早いタイミングで葬儀社選びをする方がベターです。

まだ亡くなってもいない人のために葬儀社を選ぶのは、不謹慎ではないかという声が上がるかもしれません。しかし、早く葬儀社選びを始めることで、結果的に故人様やそのご遺族様にとって、より満足のいくお葬式を挙げることができるのです。

葬儀社選びは、直前であればあるほど、できることが少なくなってしまいます。故人様が亡くなられてからですと、搬送の手続きなどで慌ただしい状況の中、葬儀社の対応などを見極めなければなりません。場合によっては、誠実な対応をされなかったとしても、いつの間にか死亡診断書を取り上げられて、その葬儀社でしか葬儀を行えないような、囲い込みをされてしまうという事態もありえます。
そうした問題を回避するには、早め早めに葬儀社選びを始めることをおすすめします。
おすすめなのは、葬儀の当事者ご本人に判断いただくことです。葬儀にとって一番大事なことは、故人様、そしてご遺族様の意向がしっかりと反映されるということ。そのためには、当事者ご本人とそのご家族が話し合った上で、葬儀社選びをすることが効率的です。

もし、当事者ご本人が嫌がられないようでしたら、是非ご家族でご一緒に、葬儀社選びをされることをおすすめします。

前もって確認しておくこと

お葬式を挙げるにあたって、前もって確認しておくべき点がいくつかあります。それらを押さえておくことで、葬儀社への事前相談や質問がスムーズになりますので、以下の点を押さえておきましょう。

葬儀の形式や規模

まず押さえておくべきなのは、葬儀の形式や規模です。現在、ほとんどの方は仏教式でお葬式を挙げられます。特別に他の宗教の方式で挙げると言うのでなければ、仏教式になると思ってください。

同じ宗教の形式のお葬式でも、さらに形式は詳しく分かれます。主なものを規模の小さい順に並べると、火葬のみを行う直葬、通夜を行わず告別式のみを挙げる一日葬、ご家族や特に親しかった友人などのみで行う家族葬、一般の参列者の方にも来ていただく一般葬、そして会社主導で行う社葬などがあります。他にも密葬やお別れ会などもありますが、まずはこれだけ押さえておけば大丈夫でしょう。

どの規模でお葬式を挙げるのかをきちんと決めておくことは、非常に重要です。例えば、地元の小さな葬儀社に葬儀を依頼したとして、急に大きな規模の社葬をしなければならないということになったとします。しかし、地元の小さな葬儀社では社葬のような大きな規模の葬儀を取り扱っていないということもあり、スムーズにお葬式を挙げることができないということにもなりかねません。

また、特殊な形式でお葬式を挙げたいという際には、あらかじめご希望の形式の葬儀を取り扱ってくれるのかということを、葬儀社に事前に相談すべき時もあります。
こういった理由があり、形式や規模をあらかじめ決めておくということは、非常に重要です。

葬儀にかけられる費用

葬儀にかけられる費用を決めておくということも重要です。例えばですが、葬儀にかかる全ての費用を50万円までだとします。この金額ですと、安い価格帯の葬儀社の家族葬までは挙げられるかもしれませんが、それ以上となると難しくなります。

仮に50万円までしか出せないということを自覚せずに大きなお葬式を挙げてしまった場合、葬儀の後になって料金を支払うことができないというトラブルに見舞われることも考えられます。

そういった事態を防ぐためには、葬儀に一体どれだけのお金がかけられるのか確認し、その金額ではどれだけの規模のお葬式を挙げることができるのかということを、事前に葬儀社に問い合わせることが必要です。

先祖の宗派や菩提寺

先祖の宗派や菩提寺の有無は、葬儀の際にはとても重要になります。なぜなら、葬儀の形式はこの宗派と菩提寺によって決まる、といっても過言ではないからです。

また、菩提寺があるにも関わらず、それを知らずにお葬式を挙げてしまい、納骨の際などに菩提寺があることが発覚し、トラブルになることもあります。最悪のケースとしてはお墓に入れてもらえなくなったり、多額のお布施をしなければならないという事態も引き起こされます。

そういった問題を引き起こさないためにも、まだ葬儀の準備なんて早い、という段階でも、先祖の宗派と菩提寺を確認しておくことが大切です。
また、宗教者へのお布施は葬儀の料金には含まれないということがほとんどで、葬儀料金とは別にかかると思った方が無難です。そのため、もし可能であれば、宗教者にお布施の相場などを確認することも重要になります。

まとめ

本記事では、いい葬儀社の選び方として見分け方のポイントをご紹介させていただきました。
故人との別れ、今後も心に残り続ける大切な場面です。いざという場面になるとなかなかゆっくり考えている余裕もありませんので、一度、本記事を参考に考えてみては如何でしょうか。