危篤状態の時に家族が取るべき対応と連絡する親族の範囲

「危篤です」
というセリフは、多くの方がドラマや映画などで耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、テレビ画面の向こうで起こっている事と、実際に家族や親しい人などが危篤状態になり、呼び出されるということは全くの別物です。危篤の知らせを受けた時には、動転してしまい正常な判断ができないということもしばしば…。
そこで今回は、危篤とはどういった状態で、知らせを受けたときにはどのように対処したらいいのか、解りやすく紹介します。

危篤とは?どんな状態?

危篤という状態は、病気や怪我などの状態が思わしくなく、今後回復するという見込みがない、死が近い状態の事を指します。余命が宣告されるという段階ではなく、もっと切羽詰った状態で、数日後や数時間後、時にはそれよりも短い時間ということもあります。
亡くなるまでの期間は患者によってまちまちです。若く生命力がある人は数日保つかもしれませんし、生命力の弱い子どもや高齢者はすぐに亡くなってしまうかもしれません。これは時と場合によります。状況によっては、病院などの医療機関に泊まり込みになる場合もあります。

病院から危篤の連絡を受けたらスグに駆けつける

病院から危篤の連絡を受けた際に何よりも大事なのは、スグに駆けつける事が何よりも先決です。ただいざその場面になると、危篤の連絡を受けても動転せず、冷静でいられるという方は少ないが現実です。ただ、焦りは禁物。焦ってしまうと余計なタイムロスが生まれ、臨終に立ち会えないということになってしまいかねません。一度深呼吸をするなど、冷静になる努力をする必要があります。
また、覚悟をすることも必要となります。あまりこのような事は言いたくはありませんが、危篤の連絡を受けたら、かなりの確率でお別れの時を迎える事になるでしょう。最期を看取るのだと覚悟をしてから、病院に向かうことをおすすめします。

危篤の連絡をする親族の範囲

「危篤の連絡を受けた際、一体どの範囲まで連絡をすればいいのだろう…。」
と迷う方は多いでしょう。まず一番に伝えなければならないのは家族です。それから、三親等以内の近い親戚や、親しい友人や知人などが挙げられます。
優先順位の基準となるのは、看取ってほしい人か否か、ということにつきます。危篤になっている本人や、危篤の連絡を受けた方が看取ってほしいと思う人に、優先的に連絡をすべきです。形式にとらわれることなく、気持ちや心情を大事に決めるといいでしょう。

その時、危篤を伝える側の気持ちだけでなく、伝えられる側の気持ちや状況を加味することが大事です。伝える相手が遠方に住んでいたり、病気をしていたりと、危篤を伝えられても動けなかったり、伝えることが相手にとって大きな負担になってしまう場合があることは、考慮しておくべきです。

また、あまり大人数になってしまうと病院などに迷惑をかけることがあります。人数は最低限にするよう注意しましょう。

危篤の連絡をする時に伝える内容

危篤の連絡をする時には、伝える内容も大事です。きちんと内容を伝えられなければ、連絡を受けた人が混乱してしまい、最期の時に間に合わないということもありえます。
伝える内容は、

  1. 自分の氏名
  2. 危篤となっている人の氏名
  3. 危篤となっている人と自分の続柄
  4. 危篤となっている人の状態(病名や危篤になった時間など)
  5. 来てもらいたい場所や時間など(病院であれば病院の住所、病室、電話番号なども)
  6. 緊急連絡先(自分の携帯番号やその他家族の電話番号など)

です。
これらをとっさに思い出して連絡することは、危篤の連絡を受けて動転している時にはまず無理でしょう。もし、病気などであらかじめこのような事態になることが予想される時には、メモをしておくことをおすすめします。

「まだ大丈夫なのに不謹慎だ!」
とお思いになってしまう気持ちも理解はできますが、後悔しないための準備だと思って準備されてください。

危篤状態の期間が長引いた時の対応

危篤状態だからと言っても、その状態がどのくらい続くかは人それぞれ。人によっては、危篤状態が長引く事も十分に有り得ます。そのような時には、どのような対応をすればいいのでしょうか。以下に、重要な対応を2点紹介します。

会社員の人は会社の上司に相談する

会社にお勤めの方であれば、上司への連絡は必須です。先が読めないのが危篤状態というものですが、連絡をひとつ入れておけば会社側もある程度対応することができます。
学生であれば学校、自営業であれば連絡が必要そうな取引先など、生活と密接に関係している相手に連絡を入れておけば、余計な心配をかけずに済みます。

家族や身内に調整し交代で付き添う

危篤状態が長く続いた時、何もかもひとりで対応しようとしてしまうと、肝心な時になって倒れてしまうことなどがあるかもしれません。長期戦になりそうな時は、一人ではなくチームで立ち向かわなければならないでしょう。
付き添う場合には、家族や親しい身内が交代で付き添うことで、ひとりひとりの負担を減らすことができます。

危篤から持ち直し意識が回復する事もある

危篤は、意識を失った状態である事が多く、そのまま意識を取り戻さずに亡くなってしまう可能性が高い事は事実です。
ですが希望を捨ててはいけません。稀な確率ではありますが、危篤になってからでも意識を取り戻す人もいます。危篤になってしまったからと諦めるのではなく、後悔のないよう行動しましょう。

まとめ

危篤とは何か、危篤の連絡を受けた時にはどのように対処すればいいのかを、詳しく説明しました。
何よりも大事なのは、とにかく焦らず冷静さを保つことです。落ち着いて対処することが、後悔しない対応への近道となりますので、まずは胸に手を当てて深呼吸してください。それから、この記事を参考にしていただき、手順通りに対応しましょう。